「チーム」で取りくめる環境なので。
社会福祉法人原町成年寮 共同生活援助事業 サザンクロスかつしか 主任
星 三記生
販売・営業職からの転身。チームでご利用者様を支え続けて
キャリア
星 三記生
専門学校を卒業 ↓ 新卒でアパレル会社勤務 ↓ 新卒3年目で営業会社に転職 ↓ 2009年度に現在の法人に転職。現場経験を経て各種資格(社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師)を取得
1きっと、楽しく長く続けられる。福祉業界未経験からの挑戦
福祉業界に転職しようと思ったきっかけは、当法人で働く10年来の知人から「福祉の仕事やってみない?」と紹介してもらったこと。専門学校を卒業後、アパレル会社での販売職や営業職など、福祉業界とは縁のない仕事をしてきました。業界未経験とはいえ、「対人」の仕事であることに変わりはありません。もともと人と関わることやコミュニケーションをとることが好きだったので、自然と福祉の仕事にも興味を持ったのだと思います。
それでも入職前は、「福祉の仕事はきつくて大変だ」という世間一般のイメージを、私も持っていました。また、周りに障がいのある人がおらず、接する機会がこれまでなかったことから「上手に関わることができるだろうか」と不安な気持ちも抱えていたんです。
当法人で働く皆さんは、そんな私の思いを汲み取ってくれて、ご利用者様との関わりをならしていくためにも、最初はアルバイトという形で入職しました。
いざ仕事を始めてみると、ご利用者様の方がコミュニケーション能力が高く、私に気軽に接してきてくれて、とてもうれしかったのを今でも覚えています。「業界未経験だけれど、きっと楽しく、長く続けられる」と思った瞬間でした。
2「不安」が「楽しい」に変わったことで、ご利用者様とも仲良くなれた
これまでの販売・営業職の経験を生かして、仕事に取り組んでいきたいという思いがありつつも、最初はご利用者様とどんなふうに接していけば良いのか分からない、不安で怖いという気持ちが少なからずありました。
しかし、福祉業界未経験だった私に対して、先輩職員が一つ一つ丁寧に仕事を教えてくれました。また、法人の研修制度も充実していたので、不安や怖いという思いは、仕事をはじめてから比較的早い段階で、楽しいという気持ちに切り替わったのを覚えています。
「不安」から「楽しい」への気持ちの変化は、自然とご利用者様にも伝わったようで、その辺りから今まで以上にご利用者様との距離も近づき、仲良くコミュニケーションをとれるようになったと思います。
私は、少人数のご利用者様が共同生活を送るグループホームでの勤務。早番や夜勤、遅番など変則的な勤務なため、家族からは体調面の心配をされました。ですが、昔から体力には自信がありましたし、自宅へ帰宅してから家族に「今日はこんなことがあった」と話す姿を見て、楽しく仕事をしていることが伝わり、今では応援してくれています。
3成功体験の積み重ねが、次の行動につながる
支援員として入浴・排泄介助、金銭の管理など日常生活を送る上での相談など生活全般の支援を行っています。また、サービス管理責任者としてもご利用者様ご本人とご家族との面談を実施。日々の目標を記載した計画書を作成して、医療機関などの関係各所と連携した調整業務にもあたっています。
現場に立つと、自分の気持ちを上手に表現することができず苦しんでいるご利用者様の対応をすることが少なからずあります。体調が悪いのか、手伝ってほしいのかなど、表情や動きを見て、他の職員と一緒に協力しながら対応をしています。時間の許す限り現場に出ることで、ご利用者様の変化に気付くことができるので、サービス管理責任者としても、現場で感じた気付きをご家族様に共有ができて、計画書も作成しやすいと感じています。
ご利用者様は、障がいがあるという理由でこれまで「買い物をする」「旅行に行く」など、私たちにとって当たり前のことを経験できなかった方もいます。以前、温泉や美味しい食事を楽しむ旅行をグループホームで計画し、実施しました。ご利用者様からは「とても楽しかった。来年もまた行きたい」という声をいただき、うれしかったのを覚えています。計画書では、こうしたご利用者が今後やってみたいことも、次の目標の一つとして記載しています。
一人ひとりのペースに合わせて、少しずつ社会的な経験を積んでもらう。「できた」という成功体験を実感すると「次に向けて頑張ろう」という意欲を見せてくれる方がたくさんいます。楽しそうな表情を見られると、「大変でもこの仕事を選んで良かった」と心から思えます。
4一人ひとりの思いを理解し、適切な支援を
当法人には、身体障がいや知的障がいなどさまざまなご利用者様がいます。どんな事例やケースにおいても、チームで支援することを基本としているので、一人で悩むことはまずありません。それは入職した当初から一切変わっていないこと。
チームで支援するからこそ、事例を検討する会議では自分の意見のみならず、相手の意見もきちんと聞いた上で、ご利用者様にとってより良い支援方法を検討しています。また、支援するにあたって、何よりもまず、その人らしく充実した人生を送ってほしいと思っているので、自分の価値観を押し付けないように心掛けています。
当法人に入職してから福祉の世界を知った身なので、周囲より知識や経験がないことは分かっていました。だからこそ、他の人よりももっと勉強しなければと自分を奮い立たせ、介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士の福祉に関する国家資格は全て取得しました。
今後の目標は、新たに昨年取得したばかりの公認心理師の資格を生かすこと。この資格は、支援を必要とする人の心理状態の観察や分析をしてサポートするものなので、より専門的なアドバイスができるのではないかと思っています。ご利用者様の思いを深く理解することで、これからも一人ひとりに合ったサポートをしていきたいですね。