髪色が自由な職場を探したのがきっかけで。

都内介護事業所勤務 介護士インフルエンサー

はたつん

「辞めるだろうな」と思って始めた介護職。10年以上続けて見えた景色

キャリア

はたつん

専門学校卒業後、バンド活動をスタート ↓ 地域密着型通所介護にて、無資格・未経験で介護職に ↓ ヘルパー2級、介護福祉士の資格取得 ↓ 2021年から、「介護士インフルエンサー」に ↓ 都内介護施設にて夜勤勤務

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「介護=人のお世話をする」は、私が持っていた先入観だった

はじめまして!介護士インフルエンサーのはたつんです!皆さんは「介護」と聞くと、どんなイメージがありますか?優しい人が向いている、地味、人のお世話をする、大変な仕事...などが思い浮かぶかもしれません。実を言うと介護職歴14年の私も、最初は同じように思っていました。「私には、介護の仕事はできないだろうなぁ」って…。
 
人生で初めて「介護職」を知ったのは、一緒に住んでいた祖母のもとにヘルパーが来たときのこと。祖母に優しく接してくれる仕事ぶりを見て「すごく優しい方たちだなあ」と驚き、同時に「私にはできない」と思ったことを今でも覚えています。
 
ですが専門学校を卒業した後、音楽活動を続けるためにシフトの融通が効き、髪色が自由な職場を探していたところ、近所にあったデイサービスでバンドメンバーと働くことになったんです(笑)! びっくりですよね。そのときもぶっちゃけ「すぐ辞めるだろうな」と思っていました。ただ、国家資格を取れば手に職がつくという打算的な気持ちもあり、人生経験だ!と右も左もわからないまま介護の世界へ飛び込みました。
 
無資格・未経験の私は、利用者と楽しくコミュニケーションをとることを意識するうちに、だんだん年齢の概念を感じなくなったんです。ただただ80歳や90歳の知り合いができた、という感覚になっていって。「介護=お世話をする、介助する」が、私の先入観だったことに気づかされました。
 

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レクリエーションと知識で、介護の仕事が一気に楽しくなった

業務をこなす事で精一杯の毎日、楽しさもわからないし向いていないかも…と悩んでいたそんな私が、「介護って楽しいかも!」と思えたきっかけは、音楽のレクリエーションでした。
 
ある日先輩が「音楽やってるなら、施設でコンサートを開いてみない?」と声をかけてくれました。せっかくだからと、バンドメンバーと昔のヒット曲を一生懸命練習して迎えた当日。緊張しながら歌い始めると、普段眠っている方が起きて参加してくれたり、涙を流して聞いてくれる方もいて。利用者も職員も、みんなが笑顔になってくれた瞬間。その景色を目の当たりにして「自分の得意なことで、こんなに喜んでもらえるなんて」と本当に嬉しかったんです。あの日のことは、今でも私のかけがえのない思い出になっています。
 
それ以来、もっと知りたい!学んでみたい!と思い、介護福祉士の資格を取得。知識がつくと、この体勢は辛いだろうからここを支えよう、こうサポートしたら良さそうなどがわかるようになり、自然と自信もついていきました。
 

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辛いし大変だけど、そんな私を救ってくれるのは

ですが、楽しいばかりじゃなく、「辞めたい」と思うこともあります。介護は人と人が繋がる仕事だから、第2の家族のようにケアしていた利用者との「別れ」はやっぱりすごく辛い。もっとこうしていたら、ゆっくり話を聞いていたらって、たくさん後悔することもあります。それに、一人ひとりの生活スタイルにはこだわりやルールがあるとわかっていても、想いがある分、拒否されたときは自分が否定されたような気持ちになってしまうことも。
 
介護は“人”が相手の仕事だから心無い言葉に傷つくことも、「辛い」「辞めたい」と思うときも正直あります。それでも、私を救ってくれるのも、また“人”なんです。「いつも笑顔でありがとう」「お姉さん見てたら、楽しい気分になるね」、その言葉を聞けば不思議と「よっしゃ!また頑張ろう」と前を向けちゃう魔法が、介護にはあると思います。
 
たとえ「今日はお風呂に入らない!」など拒否をされたとしても、「どうして拒否するのか?」を名探偵になった気分で推理して、「恥ずかしいから入りたくなかった」「昼にお風呂に入る習慣がなかった」など、拒否の本当の理由がわかったときには心の中でガッツポーズ!利用者も人で、私も人だから分かり合えないこともある。だけど相手の立場に立って相手のことを知ろうとすることを、私は諦めたくないと思っています。それは、心と心で通じ合うことができた瞬間、またこの笑顔のために頑張ろう!と思えるからです。
 

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「笑顔」の連鎖は私から。得意を活かせる介護の仕事

14年続けてきてわかったことは、「介護は人の感情に触れる仕事」だということ。嬉しい、楽しい、喜び、そして時には悲しい、辛い、怒り。利用者の感情もそうだし、自分自身の感情にだって触れる。そういういろんな気持ちを持つからこそ、私は「笑うこと」を何よりも大切にしています。厳しい顔をして働いていると、自分の心も周りも疲れてしまうから、あえて「今日も頑張ってる〜(笑)」って笑うんです。そうするといつの間にか一緒に働く職員が笑顔になって、職員が笑顔だと利用者も笑顔になって、利用者が笑顔だとご家族も笑顔になって、結果的に笑顔の輪がみんなへ繋がっていく。
 
そして、介護は「好き」を活かせる仕事です。私の場合は「音楽」でしたが、私の周りにはモデルや俳優、画家、ダンサー、歌手、スポーツ選手など「夢」を持ちながら介護現場で働いている方もたくさんいます。レクリエーションやコミュニケーションなどで自分の得意をそれぞれ活かしながら働いていて本当にかっこいいです。私も、介護職をしながら介護のインフルエンサーや音楽活動を続けています。
 
かつてデイサービスで働いていた頃、音楽のレクリエーションを行うたびに、「私は将来、聞いてくれた方が元気になる!そんな歌手になるのが夢です!」と言い続けてきました。「あなたが紅白に出るまで長生きするから頑張ってね」と何人もの利用者と約束の指切りをしてきました。いつか、その夢を叶えることが私の目標です!
 

「大好きな子供」の成長を見守れるから。

児童指導員・元芸人(ピスタチオ)

小澤 慎一朗

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