東京都福祉局

TOKYO働きやすい福祉の職場宣言

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社会福祉法人 原町成年寮インタビュー

働きやすい職場にしたい!と思ったなら、
まずは思い切って宣言を

社会福祉法人 原町成年寮 総務部 福井さん

写真

昨年度から本部にご異動され、求職者向けに働きやすい職場のPRも行われている福井さん

まずは事業所の紹介と福井さんの自己紹介をお願いします。

私たちは葛飾区に根ざした地域密着型の法人として、主に知的障害のある方々が安心して地域で暮らしていけるよう、さまざまな支援を行っています。グループホーム事業を中心に、日中活動支援、就労支援、余暇支援、相談支援など、葛飾区内で多岐にわたる事業を展開しています。私は福祉業界で19年目を迎え、学校卒業後は現場の支援員としてスタートしました。これまでに就労継続支援B型事業や就労移行支援事業などを経験し、昨年度からは本部に異動。現在は採用活動にも携わっています。そのため、働きやすい職場づくりを進めると同時に、求職者の方々にその魅力を伝える役割も担っています。

宣言に参加したきっかけや宣言前の課題を教えてください。

職員採用がうまくいかず、採用費をかけても成果が出ない状況が続いていました。その中で、「自社の魅力をどう伝えればよいのか」を模索していたところ、中途採用で入職された方々から「待遇が良く、働きやすい職場だ」との声を度々いただいていました。自分自身は働きやすい職場だと感じていたものの、それが当たり前になっていて、他社から来た方に「働きやすい会社ですね」と言われて初めて、その魅力を外部にどう伝えるかを考えるようになりました。「自分たちが働きやすいと言っているだけではなく、対外的にも信頼性のある形で示したい」と思い、調べていく中で『働きやすい福祉の職場宣言』の存在を知りました。現場では「働きやすい」という声もあれば「大変だ」という声もあり、何が足りていないのかを整理するためにも、ガイドラインの存在は非常に役立ちました。達成できている項目もあれば、さらに改善できる点もあることがわかり、「やれていること」「やれていないこと」を客観的に把握できるようしたいと思ったのが、参加の大きなきっかけです。

働きやすい職場づくりの取り組み・宣言後の変化や効果についてぜひ教えてください。

宣言後、まず職員募集ページの文言を見直し、より魅力が伝わるように作り変えました。また、今年4月にはホームページを全面リニューアルし、利用者さんや事業所の様子だけでなく、働く職員に焦点を当てた構成に変更しました。若手職員の活躍や、原町成年寮の雰囲気・空気感が伝わるよう、職員の姿や利用者との日常を多く掲載しています。3年前には、グループホームの職員不足が深刻で、外国人採用にも目を向けていました。その中で「どんな人に来てほしいか」を明文化し、採用の方向性を明確にしました。こうした取り組みの結果、今年度は例年よりも多くの応募が届くようになり、一定の効果を実感しています。また、宣言の達成率が100%に届かなかったことで、今後力を入れるべき課題も明確になりました。現在は、マニュアル整備を進め、人材育成に活用しているほか、表彰制度など職員のモチベーション向上につながる取り組みも進行中です。

ガイドライン項目『12.仕事と育児・介護が両立できる取組を実施している』について詳しく教えてください。

当法人では、産前産後休暇や時短勤務の給与水準など、労働基準法や他社水準を上回る条件を整えています。
また、男性職員の育児休業取得率は90%を超えており、「子どもが生まれたら一緒に過ごす時間を大切にしたい」という思いを持つ職員が着実に増えています。性別や役職に関係なく、自然に「育休を取ろう」と言える空気が、職場全体に少しずつ根づいてきました。制度面の整備はもちろんですが、何より大切にしているのは、日々の“まなざし”や“ひとこと”。同僚や上司の温かな後押しが、職員一人ひとりの「子育てしたい」という気持ちを支えています。現場では、育児中の職員と相談しながら夜勤を免除するなど、柔軟な勤務体制を整えています。日中の施設では人員が充足しており、適切な配置によって無理のない働き方が実現できています。年次有給休暇については、計画的な取得を奨励しており、半休に加えて1時間単位の時間休や中抜けも可能です。柔軟な働き方を支える制度が整っていることも、職員の安心感につながっています。しかし、これまでこのような素敵な制度も、社内広報や求職者への情報発信には十分に活かしきれておらず、今回の宣言を通じて「働きやすさを外部に伝える」という課題が明確になり、次のアクションにつながりました。

写真快く一緒に写真撮影に応じてくださった立花さん。二人の会話ややり取りからも、働きやすい職場の雰囲気が伝わってきました

働きやすい事業所の魅力もぜひ教えてください。

当法人は、地域密着型の事業所群を展開しており、遠方への転勤がないため、安心して長く働ける環境が整っています。出産・子育て・介護など、ライフステージの変化にも柔軟に対応できる支援制度が充実しており、ライフワークバランスをしっかりと支えています。葛飾区は立地も良く、埼玉・千葉方面からの通勤も可能です。職場には話しかけやすい先輩が多く、チームで業務にあたるため、不安を抱えずに働ける雰囲気があります。創業67年の歴史があり、利用者の暮らしのために挑戦を続けてきた風土が根づいており、職員の提案や挑戦も受け入れられやすい文化があります。また、資格取得支援制度も充実しており、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・公認心理師などの国家資格取得を目指す職員には、スクーリング期間の半分を勤務扱いとする制度を設けています。資格取得者には国家資格取得手当(1資格につき10万円)も支給され、キャリアアップのモチベーションにつながっています。この制度のおかげで、専門学生や新卒の採用にもつながっています。良く驚かれるのですが、労働時間は1日7時間なので、自分の時間も確保しやすく、副業も申請すれば可能です。給与水準も業界平均より高く、働きやすさと働きがいの両立を目指しています。

最後に宣言を検討している事業所へのメッセージをお願いします!

『働きやすい福祉の職場宣言』には、準備段階から手厚いサポートがあり、どのように進めればよいかを具体的に教えていただけたことがとても心強かったです。まずは概要セミナーを受けて、すぐに個別相談を予約するのがおすすめです。何から手をつければよいか、各項目の達成条件なども丁寧に教えていただけるので、まずは気軽に相談してみてください。私たちも「何もわからないけど、とりあえずやってみよう」という気持ちからスタートし、宣言達成までたどり着くことができました。サポートが本当に手厚く、東京福祉保健財団の担当の方々のお話に沿って進めていけば、どの事業所でも必ず達成できると思います。「こういうことはやっていませんか?」「こんな取り組みをしてみては?」と、ひとつひとつ丁寧に聞いてくださるので安心です。最初は「うちは全然達成できていないかも…」と思っていましたが、実はすでに取り組んでいた良い点を引き出して、言語化してくださったことで、自信にもつながりました。担当の方々も本当に親しみやすく、「お堅い」「敷居が高い」「査定される」といったイメージとは違い、一緒に働きやすい職場づくりを支えてくれる、心強いパートナーです。この宣言事業は、これから頑張っていこうとする事業所を応援する制度です。「働きやすい職場にしたい!」と思ったなら、まずは動画を見て、気軽に申請してみてください。尻込みせず、試しに一歩踏み出してみることをおすすめします!

写真グループホーム事業を中心に、日中活動支援、就労支援、余暇支援、相談支援など、葛飾区内で多岐にわたる事業を展開しています

社会福祉法人 原町成年寮

事業分野 障害者
実施事業 居宅介護[総合支援法]
行動援護[総合支援法]
生活介護[総合支援法]
自立訓練(生活訓練)[総合支援法]
宿泊型自立訓練[総合支援法]
就労移行支援(一般型)[総合支援法]
就労継続支援(B型)[総合支援法]
就労定着支援[総合支援法]
自立生活援助[総合支援法]
共同生活援助(グループホーム)[総合支援法]
一般相談支援[総合支援法]
特定相談支援[総合支援法]
移動支援事業
移動支援従事者養成研修事業
所在地 東京都葛飾区東立石4丁目53番8号
電話番号 03-3697-7774
URL https://haramachi.or.jp

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