まずは中央パートナーズの事業について教えてください。
加藤さん:当社は2019年4月、「東京ひかりナースステーション」としてスタートしました。その後、ケアプランセンター、ヘルパーステーションを開設し、2025年8月には鍼灸院を含む新拠点も立ち上げ、現在7年目を迎えています。訪問看護ステーションでは、0歳から100歳以上まで幅広い利用者に対応しています。医師や介護士などと連携しながら、24時間365日体制で看護を提供しています。また、東京都指定の訪問看護教育ステーションとして、研修や体験学習にも積極的に取り組んでいます。
佐藤さん:ありがたいことに良いスタッフが集まっています。訪問看護のご依頼についても、地域の訪問看護ニーズの高まりを実感しています。コロナ禍以降、自宅でのケアを希望する方が増えました。中央区は高齢化率が低いですが、今後急増が予測されるため、これからさらに体制整備が必要だと強く感じています。
オフィスは月島駅からアクセスもよく、スカイツリーとシティフロントが一望できる、最高のロケーション
訪問看護はどのようなお仕事ですか?
病院勤務との違いや魅力についても教えてください。
加藤さん:訪問看護は「人生に寄り添えるケア」です。利用者の希望に寄り添い、治療を望む方も望まない方も、その人らしい暮らしを支えます。病院では難しい、人生のすべてのフェーズに関われるのが魅力です。不安を抱える方に安心を届け、「相談できる場所がある」と思ってもらえることがやりがいです。
佐藤さん:年齢や疾患に関係なく利用でき、最近は「余分な医療は受けたくない」という希望も増えています。病院では安全管理が優先されますが、訪問看護では「転ぶかもしれないから歩かせない」ではなく、「転ばないようにするにはどうすればいいか」を一緒に考えるのが特徴です。生活に寄り添った柔軟なケアができます。
訪問看護師は利用者の人生に伴走し、希望を叶える方法を考えます。自由度が高い分、責任もありますが、それがやりがいです。
加藤さん:訪問は電動自転車で移動し、まずバイタルチェックを行います。その後、保険プランに沿ってケアを組み立てます。利用者さんとの会話をとても大切にしており、体調だけでなく気持ちにも寄り添うことを心がけています。
佐藤さん:訪問していない時間に起こりうるリスクを予測し、事前に支援策を講じることも重要です。訪問頻度は2週間に1回から毎日までさまざまです。訪問中は本人だけでなく、家族や医師、介護士など、他職種の方との連携も欠かせません。傷の処置や病状変化への対応も行います。
私たちは医師ではありませんが、状態を見て判断し、必要に応じて医師と連携します。訪問看護は「処置をするだけ」ではなく、「生活全体を支えるマネジメント」が仕事です。
1日平均5件、利用者さんのご自宅を訪問。中央区は坂が少ないため、電動自転車で快適に移動できる。
それでは宣言事業について教えてください。
まずは宣言されたきっかけや気づいたことは何でしたか?
佐藤さん:ガイドラインを見て、「改善できるポイントがある」と気づいたのが宣言のきっかけです。特に印象的だったのはキャリアの階層化です。訪問看護は、はじめから全員がライセンスを持っており、管理者と一般職員というシンプルな構造になりがちですが、人数が増えると階層化や評価制度の整備が必要だと実感しました。
加藤さん:もう一つ大きかったのは、今までの取組が評価されると知ったことです。地域との交流やボランティア的な活動も、職場づくりの一環として認められると分かり、ほっとしました。
宣言を通じて、採用や人材育成に変化はありましたか?
加藤さん:はい。まず、スタッフ全員で「どんな人と一緒に働きたいか」「ひかりのナース像とは、どんな人か」 を言語化しました。これは採用だけでなく、教育の目標や行動指針にもつながっています。
「こんな人はうちに合わないかも…」ではなく、「自分たちで決めた人材像に合った方だから協力して育てていこう」と前向きに受け入れられるようになりました。結果的に新人にも今まで以上に優しくなり、定着率にもつながっていると思います。
職場の入口、みんなの目に留まる場所にミッションを掲示している。
地域とのつながりをとても大切にされているとのことですが、どのような取組をされていますか?
加藤さん:「休憩ごはん」という名前で、地域の関係職種(ケアマネジャーや介護士など) の方をお迎えする場を設けています。費用は無料で、中央区で働く医療・介護・福祉の方々であればどなたでも参加可能です。美味しいものを食べながら、仕事の打ち合わせとは違う形で地域の関係職種の方々と交流し、顔の見える関係づくりができる時間となっています。
佐藤さん:料理はボランティアの方々が作ってくれていて、利用者さんのご家族や地域の料理上手な方にお願いしています。普段は電話や書類でしかやり取りしないケアマネジャーさんや福祉用具担当者さんと顔を合わせて話せるようになり、連携がスムーズになります。誤解や行き違いが減り、仕事のストレスも軽減されるのは大きな効果です。
さらに、「この人、今困っているかもしれない」と思えるような配慮も生まれます。相手の背景を理解し、支え合える関係を大切にしています。地域に根ざした職場づくりの一環として、今後も続けていきたいです。
毎回30名ほどが入れ替わりで参加する大好評の『休憩ごはん』。ちょっとひと息つきながら、同じ地域で働く仲間とつながるきっかけに。2か月に1回開催している。
勤務スタイルの多様化について、どのような取組をされていますか?
佐藤さん:現在、4つの常勤スタイルを導入しています。以前は「夜間のオンコール対応ができないと常勤ではない」という業界の慣習がありましたが、それを見直しました。週4日勤務や夜間オンコールなしのスタッフも常勤として認めています。
加藤さん:「勉強したい」「家庭の事情で土日や夜間は働けない」など、個々の事情に合わせた働き方を尊重しています。柔軟な勤務体系や待遇改善により、逆に夜間オンコール希望者が増えました。ライフステージに応じて働き方を変えられるので、妊娠・育児・介護などがあっても離職せずに働き続けられます。
佐藤さん:夜間オンコールは大変ですが、先輩や管理者がしっかりフォローする体制を整えています。昼と夜をあわせて年間約700件の緊急対応があります。夜間オンコールもあることで利用者さんにとって「お守り」のような安心感につながります。
スタッフも「困ったら相談できる」安心感を持てるようにしており、新人も相談しやすい環境を整えています。その甲斐もあって1年も経つと自信を持って対応できるようになります。上司や先輩が「何かあったら一緒に考えよう」と言ってくれる職場だからこそ、夜間オンコール当番にも前向きに取り組めます。

研修や新人教育にはどんな工夫がありますか?
佐藤さん:「手上げミーティング」という、誰でも自由に発言できる場を設けています。新人も困りごとを話すことで、整理して話す力がつき、周囲も一緒に考えてくれます。間違いやユーモアも許される雰囲気があるからこそ、安心して話せるのが特徴です。
新人教育ではチェック体制を強化しました。訪問看護はマンツーマン指導になりやすく、教える側も孤立しがちです。そのため、教える側のサポートも大切にしています。また、「日々の振り返りノート」や「受け持ちに必要な情報リスト」を作成し、引き継ぎや確認に活用しています。新人は「ここは聞いていいんだ」と安心でき、先輩も教え漏れを防げます。こうした積み重ねが信頼関係を生み、相談しやすい文化につながっています。
加藤さん:現場主導の勉強会もあります。スタッフが自主的に企画し、最近は「フットケア」をテーマに開催しました。現場のニーズに合わせた学びができるのはとても良いことです。

職場の雰囲気やチームの魅力はどんなところですか?
加藤さん:先輩が優しく、親身になってくれる職場です。困ったことは一緒に考えてくれるので、相談しやすい雰囲気があります。
先日スタッフから「ピンクのユニフォームで移動していたら、地域の方に『ひかりの看護師さん?いいところに就職したね!』と声をかけてもらった」と聞き、とても嬉しかったです。
佐藤さん:仕事は事業所だけで完結せず、地域のケアマネジャーさんや介護士さん、福祉用具の担当者さんなど、多職種と連携する機会が多いです。信頼関係があるからこそ、仕事がスムーズに進み、楽しく働ける職場です。
笑顔が絶えない、チームワークが自慢の職場。今日も、利用者さんに笑顔と安心を届けている。
最後に働きやすい職場づくりへの思いや、一番大切だと思うことを教えてください。
佐藤さん:職場づくりは「土壌づくり」、人材育成は「農作業」と考えています。「良い環境があってこそ、良いケアが育つ」と思います。
また、働きやすい職場づくりで一番大切なのは「理念の共有」だと思います。ミッションやバリューを明確にし、日々の業務で「これは私たちの目指すことか?」と確認し合います。方向性のズレを感じた時は、事例検討や話し合いで軌道修正しています。
加藤さん:私たちは「マグネットステーション」を目指しています。アメリカには利用者や看護師を引き寄せて離さない魅力的な病院を認証する「マグネットホスピタル※」 認証制度があります。私たちもスタッフや関係者、利用者を磁石のように引き寄せる魅力がある「マグネットステーション」でありたいと思っています。ですから、これからも魅力ある職場をたゆまぬ努力で作っていきたいと思っています。
会社のロゴは、家をモチーフに、漢字の光をあしらっている。事業所名には『地域を明るく照らす、光のような存在でありたい。』という想いが込められている。
