【事業所紹介】東京手話通訳等派遣センター

手話通訳は言葉をつなぐ橋渡しとして凛と立つ素晴らしい仕事です

東京手話通訳等派遣センター入口写真
東京手話通訳等派遣センター仕事風景

東京手話通訳等派遣センター(設立 1973年)

業種:手話通訳士

施設住所、電話番号:東京都新宿区新宿2-15-27 第3ヒカリビル5F  03-3352-3335

施設代表者名:森 せい子

従業員数:45名

(取材:2024年10月)

こちらの施設の理念について教えてください。

「障害者および、その家族が生きがいを持ち、しあわせに暮らせる社会の実現をめざす。とりわけ、聴覚障害者の自立、情報保障について質の向上を図るように努める。」が運営法人である社会福祉法人東京聴覚障害者福祉事業協会の法人理念となっています。

こちらの施設で行なっている業種やサービスを教えてください。

東京手話通訳等派遣センターの窓口では手話通訳だけでなく筆談でも受付

手話通訳者養成・派遣、要約筆記者養成・派遣、講師養成・派遣、コミュニケーション機器貸出し、DVD販売を行っています。特にここ数年で手話通訳の需要は急激に高まっており、常日頃からマナー研修や技術研修を行い、利用者の方々の橋渡し役になれるよう活動を行っています。
未だ、「手話」というものを拒絶される場所もあります。理解を求めて根気よく交渉や調整を行うことも私たちの大切な仕事だと考えています。

こちらのセンターの特徴や、他の施設にはない強みについて教えてください。

まず、聴覚障害者とそのご家族、関係者の永年にわたる運動の成果として設立された「社会福祉法人東京聴覚障害者福祉事業協会」が運営していることです。当センターは日本で初の手話通訳者派遣事務所で、50年の歴史があります。「情報保障」(注)を行うことによって、その方の夢や希望が広がり、聴覚障害者ご自身の人生が豊かになるように、今までの積み重ねたことを大切に業務しています。また、手話通訳を作ってきた歴史を理解している聴覚障害のある職員も多数在籍していることも私たちの大きな強みだと思っています。
(注)情報保障:聴覚障害者の方に対する手話通訳や要約筆記は、聴こえない、聴こえにくいことによって情報が入りにくく、得られないために本来得られるべき情報を保障している。

どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?求める人材像は?

手話通訳の業務後は、センターにて報告書の作成をするのも仕事の一つです

人と接することが好き、人と人の橋渡しをすることに喜びを感じられる、会話が好き、受け身ができる、優しく温かい、忍耐強い、そして人の気持ちを想像して行動できる人が向いていると思います。手話通訳士は、支援をすることで自分自身が得るものが大きい素敵な仕事です。もっと認知されて目指す若者が増えてくれることを願っています。

こちらのセンターの今後の目標や夢を教えてください。

当法人では重複聴覚障害者の放課後デイサービスや入所施設、グループホームなども運営しています。そこには多くの聴覚障害者が存在し、利用し、働いています。今社会は手話を言語として認知し街中で聴覚障害者が安心して暮らせ、過ごせる社会を目指しています。手話通訳者や要約筆記者を生活の中に上手に取り入れて、支援者も被支援者も一緒に笑えて当たり前に社会参加ができることを目指します。
そうした仕組みができることが、親御さんやご家族の希望でもあると思います。

これから、この分野のお仕事を目指す人へメッセージを。

東京手話通訳等派遣センター センター長森せい子さん

福祉は人が当たり前に外出したり、友人とおしゃべりを楽しんだりすることを保障するためにあります。福祉の仕事は人と触れ合って共に生きていくことをベースにジャンルごとのスキルを磨いていく対人援助職です。聴覚障害者福祉の現場では言語を駆使してわかるように対話していきます。ぜひ皆さまも手話や要約筆記を必要とする聴覚障害者の応援隊になってほしいと思います。特に手話通訳者は言葉の橋渡し役、文化の仲介役として凛と立つ素敵な職業です。

2025年にはデフリンピックの夏季大会が初めて日本で開催されますが、100周年という節目での記念すべき大会になります。どのような思いがありますか?

現在、聴覚障害者もこの社会の中でさまざまなジャンルで活躍していますが、様々な苦労も経験しこれまでの歴史も理解している、同じ思いを持つ地球上の聴覚障害者のアスリートが一堂に日本に集うということで大きな意義を感じています。私たちも今後研修やトレーニングを行って、貢献できる大きな機会になると思います。実は私たちのセンターには、2023年冬季デフリンピック大会のカーリングミックスダブルスに出場し、銅メダルを獲得した松橋選手も在籍しています。日頃から明るく笑顔で勤務してくれる職員です。
デフリンピックの大会に向けて、社会全体がますます盛り上がってくれることを大いに期待します。

トルコでのデフリンピック冬季大会においてカーリングのミックスダブルスで銅メダルを獲得した職員の松橋さん
同僚とコミュニケーションをとる笑顔の松橋さん
デフリンピック ロゴ

デフリンピック

デフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味で、国際的な「きこえない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会」です。4年に 1度、夏季大会と冬季大会がそれぞれ開かれます。きこえない・きこえにくい人のために様々な工夫がされています。 今回の東京大会は100周年大会です。

  • 大会名称:第25回夏季デフリンピック競技大会 東京 2025(略称:東京2025デフリンピック)
  • 期間:2025年11月15日~26日(12日間)
  • 参加者数:各国選手団等 約6,000人
  • 参加国:70~80か国・地域
  • 大会会場:駒沢オリンピック公園総合運動場、東京体育館ほか

詳細は下記をご参照ください。
https://www.tokyoforward2025.metro.tokyo.lg.jp/deaflympics/(外部リンク)

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