ご登壇者
- 博水の郷(宣言事業所) 番本 鷹也さん(介護職)
- 白楽荘(宣言事業所) 高橋 大和さん(介護職)
- 癒しの里南千住(宣言事業所) 渡邉 みずほさん(介護職)
- 新橋はつらつ太陽 岡村 美里さん(生活支援員)

福祉の仕事を選んだ理由は?
番本さん:元々人と関わる仕事がしたかったのですが、高校生の時、ヘルパー2級(現:初任者研修)を取得するための実習先で、認知症の方たちとうまく話すことができない経験をしました。普段友達と会話する中では全く問題なく、むしろ話すことは得意な方だと思っていたのですが、全くコミュニケーションが取れなかったのです。でも職員さんは普通に会話ができていて、「なんで?!かっこいいな!」と思ったのがきっかけです。

高橋さん:漠然と人の役に立ちたいと思っていて、家族という身近な存在が介護の仕事に就いていたこともあり興味を持ちました。
渡邉さん:身近に福祉を必要とする人がいて、手話や盲導犬などに興味を持っていました。その中でも高齢者介護を選んだのは、高校生の時に祖父が認知症を患ったのをきっかけに、高齢者と関わることに魅力を感じたからです。
岡村さん:福祉に関心を持ち始めたのは、中学生の時に祖母が倒れたのがきっかけでした。その中で、私が障害福祉に関心を持ったのは、利用者さんとのコミュニケーションの種類がたくさんあることを知り、いろいろな方と関われるようになりたいと思ったからです。言葉でコミュニケーションをとることが難しい方とは、その方の目線の動きで「はい」「いいえ」などの意思を汲み取るなどのコミュニケーションを図っています。
仕事のやりがいは?

岡村さん:私は転職して間もないのですが、転職して5日目に、普段は人とあまりコミュニケーションをとらない利用者さんが私に挨拶をしてくれたのです。以前から働いている職員さん曰く、普段はそういった行動をされない方のようで、人として一緒にいたいとか、この人だったら安心だなと思ってくださったのかなと思うととてもやりがいに感じました。
渡邉さん:その人を知れることが魅力だと思います。私たちも日常の中で気分が上がったり下がったりすることがありますが、認知症の症状がある方も同じで、朝は穏やかな表情でも、夜にかけて表情が険しくなる方もいらっしゃり、1日の中で感情の波に触れ、その人のことをどんどん知っていけることが面白さの1つだと感じています。

番本さん:介護現場で働いていると、「特別なありがとう」をもらうことができるシーンが何度かあります。「家に帰りたい」とずっとおっしゃられる利用者さんがいました。特別養護老人ホームは、基本的には入所されたら最期を迎えるまでサポートする場なので、前に住んでいたご自宅に戻ることはハードルが高いです。ですが、ずっとおっしゃられるので、上司に相談して外出許可をもらい、タクシーでその方のご自宅に行ったら「ありがとう!ここなのよ」と泣いて喜んでくださいました。今まで聞けなかったような思い出話をしてくださり、一緒にいたご家族からも感謝の言葉をいただきました。その後数ヶ月後にお亡くなりになられましたが、グッと胸にくる「ありがとう」の言葉をいただけることがこれまで何度かあって、その人の人生のラストに関われる仕事だとやりがいを感じます。

高橋さん:介護の仕事は純粋に面白いし、利用者さんの状態が良くなったら嬉しいし、いろいろなやりがいがあると思います。お亡くなりになる前の最期の時間、もう食事をするのが難しい状況のときに、その方が好きだった飲み物をガーゼに湿らせ口元にあてるなど、どうしたら最期の時間を少しでも喜んでいただけるか、その人らしく迎えられるかを考えながら、人生の最期に関われることは大きなやりがいだと思います。
仕事選び・職場選びのポイントは?
高橋さん:人の役に立つ仕事がしたいと思う方であれば、「役に立てているという実感を間近で得られる」のが福祉の仕事だと思います。自分のやったことで喜んでいる姿や、関わったことで状態が良くなったなど、自分の貢献実感を間違いなく持てる仕事だと思います。
番本さん:職場を選ぶ時には「フィーリング」をぜひ大事にしてほしいです。見学に行くときは、「挨拶ができていないと危ない(事業所)」ので、そこは是非見てほしいと思います。
渡邉さん:同じ法人内でも雰囲気が違うので、たくさん見て違いを感じてほしいなと思います。