「ドキュメント ワタシのシゴト×TOKYOでフクシ」へようこそ。
今回紹介するドキュメントでは、東京都足立区の特別養護老人ホームで施設長を務める雨宮さんにクローズアップ。
第3回 ワタシのシゴト編では、働きやすい職場づくりにかける雨宮さんの熱い想いをご紹介します。
社会福祉法人聖風会
特別養護老人ホーム花畑あすか苑
施設長 雨宮さん
心豊かに働ける基盤を整える
介護の仕事は、人と向き合う仕事です。心が豊かでなければ、人と真剣には向き合えません。私は、一人ひとりの職員が「心豊か」に業務に打ち込んでほしいと思っています。
職員の心が豊かになるためには、休みや働き方などの「働く基盤」を整えることはまず重要です。
法人が働く環境を整備し、職員に「あなたたち一人ひとりが大切ですよ」とメッセージを伝えていくことで、初めて職員もご利用者を大切にできると思うのです。
そのため、施設長として、職員が心豊かに働けるためにはどうしたら良いのか、日々試行錯誤しています。
職員に合わせた制度づくり
心豊かに働くためには、働くための基盤となる仕組みや制度を整えていくことは重要です。
例えば、休暇取得の面では、介護休暇や時短勤務に加えて、子供の送迎や通院など、半休までは必要ないけれどちょっと用事を済ませたいときに使える制度として、1時間単位で有給休暇が取得できるように整備しています。
また働きやすさに加えて、研修制度も整えてきました。
これまで研修は勤務先の事業所で開かれるのが一般的で、職員の出勤状況によっては参加が難しいこともありました。出勤の調整が大変なこともあります。そのため、いつでもどこでも受講できるオンライン研修を導入しました。
ただ、こういった制度や取組を整備していても、職員に制度を活用してもらえなければ意味がありません。だからこそ、こういった取組があることを職員に周知することも重要だと考えます。また、伝える際は実際に活用してもらえるよう、制度の存在だけでなく具体的な利用方法や活用事例なども伝えるようにしています。
介護の仕事の価値を伝えたい！
元々私は、聖風会に介護職として入職し、長年の経験を経て施設長になりました。ご利用者と日々向き合う中で、介護の仕事の意味と価値をたくさん考えてきました。
施設に入所するご利用者は、住み慣れたご自宅やご家族と離れて暮らしています。不安もきっとあるでしょうし、集団生活の中で我慢もたくさんされているでしょう。
そんなご利用者と日々向き合い、その方の希望を少しでも多く叶えるために何ができるかを日々模索しながら、その方の最期の時まで向き合ってきました。
その積み重ねの結果、ご利用者やご家族から「あなたがいてくれて良かった」と言ってもらえた経験がたくさんあり、その度にやりがいとエネルギーをもらってきました。
施設長となった今も、現場に立ち、最前線でご利用者と向き合いたいという気持ちもあります。ですが今の私の立場でできることは、自分の体験をもとに、介護の未来を担う職員たちに介護の仕事の価値を伝えていくことだと考えています。
高齢者の方の尊厳を守り、叶えたい希望を実現できるように寄り添うことの意味を改めてきちんと理解する。そして、目の前のご利用者ときちんと向き合い、その人の想いを引き受け、自分にできることを模索できる。そんな職員になっていってほしいと願っています。
そんな想いで、新人職員の方に向けた研修を毎年行っています。
ケアの仕方や対応方法が頭でわかるのではなくて、介護という仕事の意味を、心に残るように伝えたい。そして心の片隅にずっと置いておいてもらえるように語ろうとすると、ついつい熱くなってしまいます。
ある職員から、この研修は施設長からの「愛のメッセージ」ですね、と言われたことがきっかけで、今では「愛のメッセージ研修」と呼んでいただいています。
ご利用者と向き合う介護の仕事の価値を伝え、新しく入ってきた職員の方にもご利用者と向き合う意味を考えながら、心豊かに働いてほしいと思っています。
今回のドキュメントはいかがでしたか？
次回、第4回は雨宮さんのドキュメント「働く職場づくり編」をお届けします。
「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言」の活用など、法人・事業所での職場づくりの取組に迫ります。
お楽しみに！
今回紹介した法人・事業所
社会福祉法人聖風会
特別養護老人ホーム花畑あすか苑
「聖風会」についてもっと知りたい方はこちら
法人WEBサイト
https://www.seifuukai.or.jp/（外部リンク）
TOKYO 働きやすい福祉の職場宣言情報をチェック！
ふくむすび（東京都福祉人材情報バンクシステム）
社会福祉法人聖風会 花畑あすか苑