【児童養護 支援職(福祉職)/児童指導員】篠 健太郎さん

「子供のために仕事をしているか」

打ち合わせをする篠さんの写真
篠 健太郎さんの正面写真

篠 健太郎さん

児童養護 支援職(福祉職)/児童指導員

東京都小山児童学園 桜寮(高齢児寮)(2年目・2022年、月16日の非常勤契約→2023年より正規職員)

学生時代は保健体育の教員を目指し、かつコンテンポラリーダンスやサークル活動を熱心に活動していた篠さん。自身の経験を踏まえ、自分が子供に何かを教え、何かを伝えることで「その子をいかに現在地よりプラスの方向に進めていけるか」ということに関心を持っていました。現在、高校生〜大学生の寮で高齢児の指導員として、料理や掃除等の生活環境の整備や、悩み相談等、子供達の自立と自律に向けたサポートを行っています。

(取材:2023年11月)(注)取材撮影のためマスクを外しています。

現在の仕事を知ったきっかけや、目指した理由を教えてください。

大学で中高保健体育科教員を目指して勉強していたので、児童指導員の資格を持っていました。前職退職後、大学時代に一緒にダンスで活動していた同期が本学園に在職していて、この仕事と職場を紹介してもらいました。自分もそうでしたが、子供の頃に先生や先輩から、勉強や部活でアドバイスをもらったりお世話になった、というのがあって、それも今の仕事を始めたきっかけになっています。

現在の仕事の中で、一番大切にしていることはなんですか?

「子供のために仕事をしているか」「子供の目線で物事を考えられているか」を常に自身に問い、心がけています。今私が見ている子供達というのは高校生が中心なので、年齢も近い分子供の悩みの種みたいなところは理解しやすいと思っています。社会のルールについてなど子供達にとっては、問われていることや求められているレベルが高いこともあると思うので、自分自身も子供達の目線に立って一緒に考えるようにしていますね。

現在の仕事の中で、感じるやりがいは?

インタビューを受ける右からの篠さんの写真

子供から「篠さんに聞いてみて良かったです」と言われた時や、自分がアドバイスしたことを次の行動に繋げてくれて成果が出たと感じた時です。軽い会話の中でも、うまくキャッチボールをして本音を引き出していけたらいいなと思っているので、相談のしやすい関係づくりと、また相談したいと思ってもらえるような応対ができているかを気にかけています。

高齢児の指導員ならではの仕事の難しさはありますか?

やはり高校生にもなると、自分のようなまだ新人に対して、他の職員にはやらないような横柄な態度を取られることもあって、その時は残念だなぁと思って落ち込むことがあります。普通にできるやりとりのはずが、「そうくるか!」と内心思ってしまう言動をされることもありますね。

そういった時はどのように対応していますか?

そこで自分が怒ったり感情の波を出さないように、自分はそこではひたすら我慢をします。というのは子供と大人の関係なので、やはりパワーバランスの点ではこちらが高くなってしまうけれど、それを武器にしないように、と思うからです。その分、休日はダイビングを楽しんだり寄席演芸を見に行ってリフレッシュしています。職場内でもリフレッシュになることがあって、事務所職員とお話ししたり、他の寮の利用者が声をかけてくれてお話ししたり運動したりするのは、いつもとは違うコミュニケーションになるので楽しみです。

どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

インタビューを受ける左からの篠さんの写真

「寛容な人」だと思います。人は、子供の将来を思って言ったことや、やってあげたことに対して「感謝」というリアクションを求めてしまうものだと思います。ですが、それをうまく出せない子供はいくらでもいます。ですから、「ありがとう」や「ごめんなさい」がすぐに言えなくても、いつもどおり接することのできる人だと考えています。

今後の目標を教えてください。

まだ自分自身がこの職歴が浅いので何ができるのか正直分からないですが、子供達にとっての「最後の砦」のようなものになれたらという思いはあります。ここを卒園した後も、「最近どうしている?」とか、年に1回誕生日の子に「おめでとう」と連絡するだけでも、子供にとって自分のことを気にかけてくれる存在がいることは大切だと思うんです。社会にうまく馴染めない等色々な背景がありますので、その時に「味方でいるよ」という役割でいたいと思っています。

これから、この分野のお仕事を目指す人へメッセージを。

仕事をする中で、正直、難しいと思う出来事がたくさんあります。その分、自分自身が色々なことを考えるきっかけになりますし、大変なことがある時の対応には先輩職員が必ず相談に乗って必ずサポートをしてくれています。冷たくあしらわれることはありません。
それは先輩職員も若手だった時に同じような経験をしてきているからです。
安心して飛び込んできてください。一緒にお仕事しましょう。

机を拭く篠さんの写真