【地域福祉コーディネーター】齋藤 悠さん

「つながりづくり」と「救えない人を出さない」を信念に

業務中の齋藤さんの写真
齋藤 悠さんの正面写真

齋藤 悠さん

地域福祉コーディネーター

福生市社会福祉協議会(6年目)

中学生の頃から学童のボランティア活動に参加したり学童の先生を目指して教育学部で学ぶなど、子供との触れ合い、地域との関わりを常に大切にしてきた齋藤さん。福祉や子供、地域を大切に思う気持ちには「自分自身が児童館などで遊びながら地域に育ててもらったから」という感謝が根底にあります。他市の社協での学童保育職員や福生市社協での障害者就労支援センターなどを経て、現在は地域福祉コーディネーターとして地域のつながりづくりに携わっています。

(取材:2024年11月)

現在の職場や仕事を知ったきっかけや、目指した理由を教えてください。

以前は他市の社会福祉協議会でお世話になっていましたが、福生市の社協の方から声をかけていただきました。地域福祉コーディネーターという仕事は、以前の配属先にいた際に研修を受け、地域に携わり地域の方々と関わりを持てるということに魅力を感じたのがきっかけです。

現在の福生市で行っている事業について教えてください。

地域推進課課長、髙山さんと

現在、福生市では令和7年度に「重層的支援体制整備事業」の実施を目指して、現在移行準備期中となっています。重層的支援体制整備事業とは、年齢や性別、国籍などを問わない地域共生社会を目指し、複雑化・複合化したニーズや既存の支援体制では必要な支援が届いていない方々などに対して、包括的な相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する事業です。多機関協働や継続的に関わることを意識しながら個別アプローチと地域アプローチを実施していくことを目指しています。

地域福祉コーディネーターとして、重層的支援体制整備事業にどう関わっていますか?

私は「地域づくり」(世代や属性を超えて交流できる場の整備や活動の活性化を図る)と「参加支援」(社会とのつながりを作るための支援)を主に担っていきます。FVAC(ふっさボランティア・市民活動センター)と協力して、地域に出向き顔の見える関係づくりに励んだり、地域課題の発掘や、それを解決できる地域資源、地域の活動者の創出を目指して活動しています。

仕事の中で、大切にしていること、力を入れていることは何ですか?

PTA会長や町会など多くのつながりを大切にする齋藤さん

基本中の基本ではありますが、まずは元気な挨拶と、顔を覚えていただくために外に出て、色々な団体の方々とつながりを持つことを意識しています。地域には色々な方々がいます。たくさんの方とつながることで、コーディネーターの役割を知ってもらえるのと同時に、何か困りごとがあった際に、連絡していただけるような関係になれることを目指しています。「救えない人を出さない」ために、相談があった際には、誠心誠意対応することと、忙しくてほったらかしにならぬよう職員一丸となって対応することが大切だと思っています。

地域の方に満足してもらうために取り組んでいることや、そこで感じるやりがいは?

FVACに在籍ということもあり、市民の方のニーズに応えられた時に、とてもやりがいを感じます。コーディネーターとしてもつながりを持ち、色々と頼って下さる方々もいるので、そういった人々との出会いもやりがいにつながっていると思います。「つながり」という点では、地域の子供たちや高齢者、障害をお持ちの方など世代や属性を問わずに集まれる居場所づくりや、困りごとを抱えている人が何かしらの制度に「つながれる」体制づくりも使命だと感じています。

現在の仕事を日々行う中で、難しさを感じるのはどんなことですか?

実はまだまだ重層的支援体制整備事業についての理解を深めることも難しいところで、今後どのような動き方をしていけば良いのかを模索する難しさはあります。自分に合った動き方を考えるということです。コーディネーター同士で対話や相談をしながら工夫はしていきますが、なかなか苦慮しているのが現状です。福生市の重層事業を良いものにしていくこと、地域福祉コーディネーターとして相談してよかったと言ってもらえるような職員を目指しています。

休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

休日は家族との時間を大切にしています

人と関わることが好きなので仕事上大きなストレスは感じていませんが、休日は家族で出かけたり、趣味のバイクや車でドライブを楽しんだりしています。焼き鳥が非常に好きなので自分で串打ちをし、アウトドアスパイスをかけて手作りします。その他の食材もBBQで味わいながら家族の時間を過ごすことでリフレッシュしています。小学校のPTAや町会にも関わりがあるので、家を空けることも多いですが、家族の理解や協力をもらいながら、頑張っている最中です。

これから、この分野のお仕事を目指す人へメッセージを。

福祉分野は日々勉強だと思っています。色々な方々に出会い、色々な事を経験すると思いますが、その積み重ねがより良いものを作っていくと信じています。この業種に限らず、職場の内外でもコミュニケーションが必要不可欠ですので、自分も楽しく、相手も楽しめるような雰囲気づくりを大切にしてください。そして探求心と感謝の気持ちをずっと忘れないでほしいと思います。

福生は子育てしやすい町だと話す齋藤さん
地域福祉コーディネーターとして相談してよかったと言ってもらえるような職員を目指します

社会福祉法人福生市社会福祉協議会紹介

自治体名:社会福祉法人福生市社会福祉協議会(設立昭和45年)

  • 住所、電話番号:東京都福生市南田園2丁目13番地1
  • 従業員数:132名

(取材:2024年11月 髙山浩之さん)

団体の理念

  • 「共に参加し、支え合い、自立した生活ができるまちづくりを目指します。」
  • 「潤いと温もりに満ちた、活力にあふれたまちづくりを目指します。」

組織構成

福生市社会福祉協議会が入る福祉センター
  • 総合運営課
    法人組織運営/労務管理/経理/庶務/施設管理
  • 地域推進課
    地域福祉の推進/ボランティア市民活動の推進/学童クラブ、放課後子ども教室事業
  • 相談支援課
    成年後見、権利擁護事業/地域包括支援センター事業
  • 生活支援課
    高齢者通所サービス事業/障害者通所サービス事業/児童発達支援センター事業/障害者自立生活支援センター事業

こちらで実施している特徴的な施策、強みについて教えてください。

社会福祉協議会では、特定の福祉問題だけでなく、まちづくりをも含めた幅広い福祉問題、公的サービスの隙間にある問題等にも取り組んでいます。福祉に関わる民間団体として、「個人が抱える課題」から地域に潜在する課題を探るとともに、既存サービスでは対応できない課題に対して、新たなサービスを柔軟に開発していきます。「制度から外れてしまう人を作らない」施策を行っています。

職員が働きやすいように工夫されていることは何ですか?

上司や部下などの立場に関わらず、職員同士のコミュニケーションが積極的かつスムーズに行えるようにしています。職員が、仕事に「やりがい」を感じ、それぞれの専門性を活かして活躍することができる職場づくりをしています。また、産前産後休暇、育児休暇、時短勤務が充実しており、職場の理解もあるため、男女ともに育児休暇を取得できるようにしています。

どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?求める人材像は?

ふっさボランティア・市民活動センター
  • 人や社会に興味関心を持ち、課題などの分析ができる人
  • 社協の役割を理解し、市民や社会福祉関係者の信頼に応えることができる人
  • 地域住民の生活課題に向き合い親身になって接することができる人
  • 円滑な対人関係や関係機関と連携できる人

これから、社協を目指す人へメッセージを。

利用者のニーズが多様化して、個別のニーズを正確に把握する必要性が高まっています。そのため、常に最善に近づけるような柔軟な発想を持ち行動することが大切です。
その先にある笑顔のために‼ 一緒に頑張りましょう。

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