「何かをしてあげる」だけでなく「一緒に何かをすること」も大切だと気づきました


白石 祐也さん
就労継続支援B型事業所支援員
このはの家(5年目)
転職して初めて福祉の仕事に関わることになった白石さん。「このはの家」で支援員として従事して5年になりました。様々な背景や人生経験、思いを持つ人々が集まり一緒に楽しく作業をするこの事業所での仕事にとても面白みを感じていると言います。これまでの実務経験に加えてアカデミックな知識も身につけた上で福祉に関わりたいと、資格取得に向けて就業後に学校に通う日々を送っています。
(取材:2024年11月)

「このはの家」で支援員をされていますが、お仕事の内容を教えてください。
「このはの家」は、障害や病気などの理由で一般的な就労が難しい方を対象に、就労場所を提供するサービス(就労継続支援B型)を行う事業所です。私は、製パン・製菓等の作業のお手伝いや、ご利用者様の生活・就労・困りごとなどの相談、面接や支援、そして事業所内の事務作業も行っています。ご利用者様の通院している病院の主治医やデイケアの職員、理学療法士などとも連携して、ご利用者様がどのような生活を希望されるのか、それを実現するためにどんなサポートができるかを考えることも大切な仕事の一つです。

支援員の仕事を知ったきっかけはどのようなものですか?
以前から漠然と福祉関係の仕事に関心を持っていましたが、自分が直接関わる機会がなかったので、実態をよく知りませんでした。前職を退職し、ハローワークで紹介を受けたのがこちらの事業所です。最初に見学面接に来た際、ご利用者様もスタッフも皆が元気で楽しそうだな、と思ったのが第一印象でした。それまで、福祉というのは「誰かに何かしてあげる仕事」というイメージを持っていましたが、皆で一緒に作業をしている姿を見て素敵だなと感じ、是非自分もここで仕事をしてみたいと思いました。
仕事の中で、一番大切にしていることや力を入れていることは何ですか?
ご利用者様が、今思っていることや考えていること、悩んでいることを「いつでも相談できる」相手になれるように、普段から、意識して声かけなどのコミュニケーションを行い、よい関係性を築けるように努めています。今はご利用者様もスタッフも皆明るく働ける環境が整っているので、自分もこの雰囲気を繋げていきたいと思っています。

利用者の方に満足してもらうために取り組んでいることを教えてください。
作業に関することでは、ご本人にとって初めての作業、新しい作業にチャレンジできるよう、こちらからご案内やご提案をして、できるだけ「できること」や「やったことのあること」が増えるようにしています。できることが増えたり新しい発見があると、ご利用者様の自信につながるのではと思っています。また、障害の特性を考慮して作業を分配するような工夫もしています。
支援員としての業務をする中、また利用者の方と接する中での難しさや大変さはありますか?
ご利用者様それぞれのお気持ちや考え、悩み、辛さは、ご本人から発信してもらうことでしか私たちは知ることができず、寄り添うことができないという点で難しさを感じます。ですので、日々の作業の中でできる限り多くの情報を受け取れるように、コミュニケーションを取りたいと思っています。担当している方々の悩みや相談が集中してしまう時期は大変さがありますが、周りのスタッフや先輩方が相談に乗り、手助けしてくださるので乗り越えることができますし、そのことにとても感謝しています。
どのような人がこの仕事に向いていると思いますか?
「福祉の仕事」というと、誰かのために何かしてあげたいという思いを長年持って進学・就職される方や、とても優しい方・責任感が強い方が多い、というイメージがあると思います。実際そのような方も多いですが、私のように転職してこの仕事に就き、仕事として向き合いながらも楽しさや感謝を感じながら日々過ごしているケースもあるので、気負わずに福祉に関わってもらえたらいいなと思います。
これから、この分野のお仕事を目指す人へメッセージを。
ご利用者様に限らず、様々な人と出会える仕事です。人生や物事の考え方、アカデミックなことはもちろん、他人や自分のことについても色々な角度から新しい発見がある、とても楽しい仕事だと思います。一緒にお仕事ができるのを楽しみにしています。

