ドキュメント3 安西さん(保育部門)第5回 ワタシのシゴト編「『みんなの先生』になりたい」

「ドキュメント ワタシのシゴト×TOKYOでフクシ」へようこそ。

今回紹介するドキュメントでは、東京都杉並区の保育所で働く、保育士の安西さんにクローズアップ。
第5回 ワタシのシゴト編では、「働くからこそわかる、福祉の仕事のやりがい」について、安西さんの生の声をご紹介します。

緑の宣言マークを持つ安西さんの写真

社会福祉法人虹旗社

杉並保育園

保育士 安西さん

「みんなの先生になる」夢を追いかけて

私は小学生の頃から「保育園の先生になりたい」と思っていました。
そのため夢をかなえる一歩として保育コースのある高校で学んだ後、保育の専門性を更に深めるため、こども教育宝仙大学へ進学しました。

大学での学びで印象的だったのは、保育環境について学んでいた時でした。「だれか一人がつまずく環境には、他にも困っている子がいるかもしれない」という言葉に衝撃を受けたのを覚えています。どの子にとってもわかりやすい伝え方や環境を整えていくことの重要性を感じた瞬間でした。
また、保護者支援や家庭と連携することの大切さも学びました。「子供のプロフェッショナルである保育士が難しいと感じるのなら、専門的な知識がない保護者にとってはなおさら難しい」ということは、保育士として学んだ知識を言語化して共有していくことの重要性にも繋がってくると思います。だからこそ子供のプロとして、保護者と一緒に子供の成長を見守っていきたいと強く思うようになりました。

そして実習での経験を重ねていく中で、子供と保育士の1対1の関係ではなく、家庭とも協力して一緒に成長を見守れる「みんなの先生」になりたいと思い、保育園で働くことを決めました。

インタビューを受ける安西さんの写真

虹旗社は先生も子供もまっすぐだった

杉並区にはたくさんの保育園がある中で、見学した他のどの保育園よりも、虹旗社が先生たちの姿や園の雰囲気が明るいなと感じました。
また虹旗社の見学に行くと、クラス同士の距離感が近く、幼児と乳児が交流するなど、子供たちが主体性を持って楽しそうに過ごしている姿にひかれたのを覚えています。

そして大きな決め手として、その時に案内していただいた今の園長との出会いがありました。
就活の時に対応してくれたその方は、法人内で大切にしていることや保育について、具体的な言葉で伝えてくれました。専門性を言語化するのが難しい保育士という職業だからこそ、その姿勢を見て「この先生と一緒に働きたい!」と思って就職試験を受けました。

保育士になって5年がたった今、私は4歳児のクラスの担任をしています。

4歳児は、周りのことが見えるようになってきて、自分と友だちを比べたり、好きなことや嫌いなこと、得意なことや苦手なことを見つけていきます。そのため、「これはにがてだからやりたくない」「みんながみていると はずかしいから いや」といった周りを意識した思いも出てきます。

しかしこれは乳児から幼児に成長したサインでもあります。だからこそ、この感情に向き合いながら、彼らが成長し変化していく様子に触れることが、保育士としての大きなやりがいやおもしろさにも繋がっています。

子供たちとお話をする安西さんの写真

楽しさの先にある「成長」に導く

様々な感情があふれる子供たちだからこそ、「保育園楽しい!」という気持ちになってもらいたい。そして同時に、子供たち一人ひとりの成長も促していきたいと強く思っています。
そのためには工夫は欠かせません。

「公園遊び」一つとっても、様々な工夫をしています。
みんなが長い距離を歩けるようになってきたので、今度はいつも行く公園ではなく、足を延ばして遠くの公園に行くことはできないか?と考えました。遠くの公園には、いつもの公園にはない大きな坂や木など、そこでしかできない発見があり、子供たちの更なる成長につながると思ったからです。

ですが、その公園まではみんなで歩くと30分ほどかかります。大人側が計画を立てて出発することは簡単ですが、子供たちにただ提案するだけでは見通しが持てず、散歩ならではの楽しみが伝わりません。

そこで、どうしたら楽しく公園まで行けるか、同じクラスの職員と一緒に考えました。そして辿り着いたのは、「あじさいさがし」でした。

子供たちに「色々なあじさいを探しに行こう」と提案し、公園までの道中に咲いているあじさいを見つけながら公園まで行くことになりました。
「あじさい、こっちにも咲いてる!」とみんなであじさい探しに夢中になっていると、気が付いたら公園に到着し、「きょうはここであそぶの?」と子供たちは目を輝かせていました。
新しい遊び場を開拓できたことに加えて、様々なあじさいの色や種類を発見することもできました。

いつも以上にたくさん歩いた一日でしたが、帰る時には「たのしかった!」「またいきたい!」という声が出て嬉しかったです。
子供たちが興味を持ちそうなことをつなぎ合わせて、目の前の楽しさの先の成長に導くことができ、手ごたえを感じられるときこそ、この仕事の最大の魅力だと思っています。
子供たちの成長を間近に感じ、「次はどんな企画をしてみようかな」と日々ワクワクしながら保育計画を考えることも楽しいです。

子供と手をつなぐ安西さんの写真

「卒園してもあの先生がいるから大丈夫」

保育士という仕事は、子供たちが卒園した後も、見守ることができるところが素敵だと思っています。

入職当時、虹旗社の園でイベントをしている様子を見学に行くと、小学生になった卒園生たちが園に遊びに来ていました。そこで、久しぶりに会った先生に、小学校に上がってからの悩みを相談している子供たちの姿も見かけました。
それを見て、卒園後も子供たちが遊びに来やすい雰囲気がある環境に強く感動したのを覚えています。困りごとを親に打ち明けられず、どうしようと迷っている子供たちが、「ここに戻れば安心して相談できる」「あの先生がいるから大丈夫」と思える存在でありたいです。

また、子供ももちろんですが保護者の方にも、卒園後も子供の成長を見守る一人の相談相手として、悩んだときには、一緒になって考えていくことができる関係性でありたいです。
「そうだ。保育士の安西さんに相談してみよう」と、頭の片隅においてもらえる存在になれたら良いなと思っています。

そのためにもまずは、今目の前にいる子供たちと真っ直ぐ向き合い、子供たちからも保護者の方々からも信頼してもらえるような保育士でありたいです。

安西さんの正面写真

今回のドキュメントはいかがでしたか?
次回、第6回は安西さんのドキュメント「働く職場づくり編」をお届けします。
現場職員が考える、働きやすい職場づくりに迫ります。
お楽しみに!

今回紹介した法人・事業所

社会福祉法人虹旗社
杉並保育園

「虹旗社」についてもっと知りたい方はこちら

法人WEBサイト
https://www.ans.co.jp/u/kohkisha/index.html(外部リンク)

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社会福祉法人虹旗社 杉並保育園