世の中には様々な情報やサービスがあります。しかし情報が多すぎるがゆえに、その取捨選択を難しく感じることはありませんか?
そこでこのコラムでは、福祉業界に興味がある方や就職・転職を検討されている方向けに、業界の特徴や動向、就職活動に役立つサービスを紹介します。
<このコラムがオススメな方>
- 福祉について知りたい
- 福祉業界へ就職や転職を検討している
- 福祉にかかわるために、何か始めたい
- 情報収集のために、信頼できるWebサイトやサービスを知りたい
<目次>
1. 福祉にかかわりたいけれど…
福祉について知りたいけれど、何から始めればいいかわからない…。
ゆくゆくは就職したいけれど、どう行動すればいいの?
いろんな情報やサービスはあるけれど、信頼できる情報がほしい。
世の中には様々な情報やサービスがあります。しかし情報が多すぎるがゆえに、その取捨選択を難しく感じることはありませんか?
そこでこのコラムでは、福祉業界に興味がある方や就職・転職を検討されている方向けに、業界の特徴や動向、就職活動に役立つサービスを紹介します。
2. 福祉業界の特徴
福祉業界への就業のためには専門学校や大学で学んだり、資格を取得したりしなければならないと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、仕事に就いてからのキャリアアップについてイメージが湧きにくい方、「離職率が高い」といったイメージをおもちの方もいるのではないかと思います。
実際は、資格や専門的な勉強は就業を開始するための必須条件とは限らず、福祉職場で活躍している職員には、異業種から未経験での転職者の方も少なくありません。中には、就職前から福祉を学んできた職員よりも、未経験から中途入社して働く職員の方が多数を占める事業所も存在します。また、就業後もキャリアアップができるよう、様々な取り組みが実施されています。
適性と気になる将来性
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、福祉業界へ転職を検討する人は増加しています。就職や転職を検討する際、仕事の適性を気にされる方も多いのではないでしょうか?
この章では3つの調査結果をもとに、業界の特徴や近年の動向を見ていきましょう。
就業前に確かめたい向き・不向き
誰しも、就業後のミスマッチは防ぎたいですよね。2016年に東京都社会福祉協議会が実施した「質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査」によると、施設側が回答した「採用時にあらかじめ身につけておいてほしいスキル」として、援助技術以上に次のような項目が重視されています。
- 権利擁護の意識
- 利用者と向き合う姿勢
- 社会人としてのマナー
- あいさつや言葉遣い
- 自らの基本的な生活能力
- 適切に記録ができる
- 自分自身の思いをもっているい 等
民間企業と比較してあまり違いはありませんが、「権利擁護の意識」は業界ならではの特徴と言えます。特に人権感覚や人権意識等については、福祉サービス利用者へかかわる仕事として、とても重視されます。
また、福祉の仕事には文書作成業務が少ないと思われがちですが、利用者の個人情報や日々の支援内容を記載する「ケース記録」や「資料作成」等の事務仕事は多く、パソコンスキルとしてWordやExcelの基本的な操作に慣れておくとよいでしょう。
参考資料:社会福祉法人東京都社会福祉協議会「質と量の好循環をめざした福祉人材の確保・育成・定着に関する調査(平成28年度)」
多彩なキャリアパス
職員の定着やスキルアップを目的として、法人内でのキャリアパスを構築し、処遇へ反映させるような取組みが業界全体で進んできています。
このような中で、未経験であっても現場で実務経験を積むことでスキルが向上し、それに伴い仕事における責任や権限が付与され、処遇や給与も向上していきます。また、より経験を積むために、業界内で違う事業所に転職する方もいれば、現場での経験を積み、大学等で研究職として働く方もいたり、職場内で施設長や経営層になる方もいたりします。
中には、資格や実務経験を活かし、志をもって独自に事業を立ち上げる方もいます。
気になる離職率と離職理由
2019年に行われた厚生労働省の調査結果を見ると、全産業の離職率は15.6%で、医療・福祉業界の離職率は、他の業種と比較してもさほど高くなく14.4%という結果でした。
参考資料:厚生労働省「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況(外部リンク)」12ページ
収入面の離職理由については、表1の実態調査結果を見るとランキング第6位にとどまっており、近年国や自治体でも処遇改善を進める取組みが進んでいます。
表1:前職(介護関係の仕事)をやめた理由(複数回答) | |
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1位 | 職場の人間関係に問題があったため(23.2%) |
2位 | 結婚・出産・妊娠・育児のため(20.4%) |
3位 | 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(17.4%) |
4位 | 自分の将来の見込みが立たなかったため(16.4%) |
5位 | 他に良い仕事・職場があったため(16.0%) |
6位 | 収入が少なかったため(15.5%) |
7位 | その他(11.7%) |
8位 | 新しい資格を取ったから(10.6%) |
参考資料:公益財団法人介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」資料編-186
もっと働き方や職場環境について知りたい方は、福祉の仕事に関するQ&Aをご覧ください。
福祉業界への就職・転職は通年可能!
これから転職を考えるなら、なるべく活動しやすい時期や求人数が多い時期を把握して進めたいですよね。
学生の場合は、インターン採用やポテンシャル採用等もありますが、就活解禁日に合わせて一斉に就職活動を開始するのがまだまだ一般的です。また、転職活動を行う場合、ほとんどの業界では通年で最も求人数が多いのは1~3月で、企業側も採用活動に力を入れる傾向にあります。
福祉業界では年間を通して求人が出ていますが、年度により採用時期が異なる法人もあります。そのため、希望する法人の採用状況をこまめに情報収集することが大切です。
福祉の仕事専門の無料職業紹介機関である「東京都福祉人材センター」では、事業所の求人を探せるのはもちろん、必要に応じて相談や職場体験、資格取得支援等、様々なメニューの紹介も可能ですので、ぜひご利用ください。採用選考では、オンライン相談や面接を実施する事業所も増えています。
3.公共性の高い8つのサービス紹介
ここまで、近年、福祉業界への転職を検討する人の増加や、福祉業界は時期を選ばず就職・転職しやすいことをお伝えしました。
この章では、就職や転職のために「何からはじめたらいいか迷う」「どう行動すればいいのかわからない…」という方向けに、様々なサービスを紹介します。
状況別に選べる8つのサービス
今回は、東京都や東京都社会福祉協議会が提供するサービスについて、「福祉について理解を深めたい方」、「福祉の仕事を見学・体験したい方」、「福祉職場で働きたい・就業先を探している方」等、ご自身の状況や思考・行動タイプに合わせて選択できるよう紹介します。
<福祉について理解を深めたい> | |
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<福祉の仕事を見学・体験したい> | |
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<福祉職場で働きたい・就業先を探している> | |
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(1)ふくむすびのコンテンツ
“まず、福祉の基本的な仕事内容や職場・職種、資格、働き方等について情報収集したい”という方は、ふくむすびをご活用ください。福祉の仕事に関する研修・イベント情報も随時更新中です。
また、東京都では高齢・児童・障害分野等の施設・事業所を対象に、働きやすい職場づくりに取り組むことを宣言する福祉事業所(=TOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業所)について、求人票ではわからない「働きやすさ」に関する情報も公表しています。
人材育成、キャリアアップ、ライフ・ワーク・バランス等、働く人にやさしい職場づくりに取り組んでいる事業所で、ご自身に合う職場を探すことができます。
(2)福祉のしごとミニセミナー
◆外部リンク:福祉のしごとミニセミナー(外部リンク)
東京都福祉人材センターでは、主に介護分野で無資格・未経験者向けに入門セミナーを開催しています。
このセミナーでは、仕事内容や働き方、就職活動の進め方等を知ることができ、終了後には専門相談員への個別相談も受け付けます。2020年にはオンラインでの開催も実施し、新たな取組みも行われています。
(3)“見て・聞いて・学べる”福祉現場体感見学ツアー
◇内部リンク:“見て・聞いて・学べる”福祉現場体感見学ツアー
このツアーでは施設の見学だけでなく、実際に利用者と交流できたり現場職員の話を直接聞けたりする等、現場で福祉の仕事を体感できます。
これまで10~70代と幅広い年齢層の方が参加され、ツアーをきっかけに、福祉現場への就職を決めた方もいます。
「福祉現場に興味はあるけれど、なかなか行動に移せない」
「知識や経験、資格もないから無理かな?」
「1人では不安…」等
なかなか一歩を踏み出せない方にこそ、オススメです。
過去に実施した15回以上のツアーの実施内容や当日の様子を、写真付きでふくむすび上に公開しています。
(4) 職場体験型インターンシッププロジェクト
◆外部リンク:職場体験型インターンシッププロジェクト(外部リンク)
東京都内在住または在学で「福祉を専門に学んでいない」大学生等を対象に、福祉現場での仕事体験や利用者との交流を通じて、仕事の魅力ややりがいを実感していただくことを目的とした、職場体験型のインターンシップを毎年開催しています(夏期・春期の年2回)。
「インターンシップを通じて、福祉業界を知りたい」
「職場の雰囲気や働く職員の人柄を感じられる、インターンシップに参加したい」
という方にオススメです。
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりましたが、ふくむすびに過去の参加者の声を載せていますので、参考にしてください。
また、2月には現場職員の話を聞く機会として、介護・障害・子ども分野ごとにオンライン業界説明会を3回実施しました。当日の内容は、上記プロジェクトWebサイトにて後日動画配信予定ですので、興味のある方はご覧ください。
(5)東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)
◆外部リンク:東京ボランティア・市民活動センター(外部リンク)
東京ボランティア・市民活動センターでは、ボランティア活動や市民活動に関する様々な相談をお受けしており、来所でもお電話でも相談可能です。
また、相談事業の他にも、情報誌「ネットワーク」の発行やWebサイト、twitterによる情報発信等、一般の方だけでなく、NPO法人やボランティア運営団体向けにも、様々な取組みを行っています。
(6)就職支援セミナー
介護・障害分野
◆外部リンク:就職支援セミナー(介護・障害分野)(外部リンク)
介護福祉士・ヘルパー等、有資格者の再就職のために、就職に役立つノウハウ等のテーマでセミナーを開催しています。講義だけでなく、専門知識をもった講師や仲間と一緒に考える形式で少人数で実施しており、毎回なごやかなセミナーが開かれています。
また、対面式で行っている「就職支援セミナー」の一部を5分程度で視聴できる動画にし、東京都福祉人材センターHPで3本以上配信中です。
保育分野
◆外部リンク:就職支援セミナー(保育分野)(外部リンク)
保育士資格をおもちの方で、保育所勤務未経験者またはブランクの長い方を対象に、講義と保育所での実習を行います。このセミナーは、専門職としての知識・技術の回復を目指し、保育所へのスムーズな就職につなげることを目的としています。
(7)東京都福祉人材センター
◆外部リンク:東京都福祉人材センター(外部リンク)
東京都福祉人材センターには相談窓口があり、福祉の仕事にまつわる相談を来所または電話で受け付けています。東京都内が就業先の求人票も取り扱っており、来所の場合は、経験豊富な相談員による、希望する条件に合ったきめ細かな相談・あっせんが可能です。基本的な求人事業所の選び方から、資格・研修制度、求人票に記載のない求人条件等への対応、適職紹介等、対応します。
<東京都福祉人材センター人材情報室>
- 開所日:月曜日~土曜日
- 開所時間:9時00分~20時00分(土曜日は17時00分まで)
- 休業日:日曜・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)
<東京都福祉人材センター人材情報室 多摩支所>
- 開所日:月曜日~金曜日
- 開所時間:9時00~17時00分
- 休業日:土曜・日曜・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)
また、東京都福祉人材センターで扱う求人情報については、「福祉のお仕事(外部リンク)」というWebサイトで見ることもできます。求職者マイページの利用登録の上、求職票を登録するとWeb上でも求職活動ができますので、ご活用ください。
(8)令和4年度実施「福祉の仕事就職フォーラム」について
開催日時:2023年3月5日(日曜日) 12時から17時まで
都内最大級の福祉系合同就職説明会「福祉の仕事 就職フォーラム」が、4年ぶりに対面開催されます。
本イベントには、都内で高齢・障害・児童・保育等の福祉施設・事業所を運営する約85法人が出展します。
開催の概要は、イベントページをご参照ください!
福祉業界セミナーや就活応援セミナーの配信など、就職活動に役立つ内容が盛りだくさんです。
4.おすすめ!ふくむすびコンテンツ
今回は、就職を考える上で押さえておきたい、福祉業界の特徴や就職活動に役立つサービスを紹介しました。ぜひご自身の状況に合わせてご活用ください。このコラムを読んで福祉に興味をもたれた方は、次のコンテンツやコラムもオススメですので併せてご覧ください。
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