「生活の困りごとは福祉の専門集団、社協へ」


坂本 圭吾さん
福祉活動専門員、ボランティアコーディネーター
福生市社会福祉協議会(13年目)ふっさボランティア・市民活動センター(3年目)
長年従事してきた高齢者の介護やリハビリ業務の経験を活かし、住民に身近な地域の福祉活動を推進する社会福祉協議会に転職して13年になる坂本さん。地域の人々の笑顔のために、ボランティア活動や地域づくりに取り組む方々への支援、地域の関係者との関係づくりに日々奮闘しています。一方、職場が自宅に近く、カレンダー通りの勤務形態であることから、休日には家族と充実した時間を過ごしています。
(取材:2024年11月)
ボランティアコーディネーターについて、業務の内容を教えてください。
ボランティアを行いたい方と、ボランティアに来てもらいたい人・場所をつなぐコーディネートから、活動支援、情報発信等を行っています。また、災害に備える防災講座や、社会問題や子育て支援、地域の「知りたい」「やりたい」をテーマにしたボランティア養成講座なども実施しています。その他、災害時の災害ボランティアセンター設置・運営に向けた訓練や、平時からの行政、地域、NPO、NGOとの関わりの強化にも励んでいます。最近では、能登半島への応援職員としても活動させていただきました。福祉のお祭りや福祉バザーなど、福生社協の大きなイベントの担当もしています。
福祉活動専門員としても活動されていますが、どのようなことをされていますか?

現在、福生市は「重層的支援体制整備事業」(注)の移行期間にあたります。私は、福祉活動専門員としてその一員に加わっていますので、現在は多く地域に出向くことを意識しています。地域を盛り上げたり支えたり、何かを新しく作り出したい、と考えている方々の支援をすることが主な業務です。福生市内の17ヶ所でボランティア活動をしている団体の支援を担当しており、定期的にその活動の様子を見に行って、血圧測定を行ったり健康相談を受けたりもしています。
(注)令和3年の社会福祉法の改正により、創設された制度。地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応した包括的な支援体制を構築するため、各区市町村は、「相談支援」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施することとなった。
前職から社協への転職のきっかけや、目指した理由を教えてください。
前職では高齢者の介護やリハビリ系の業務を行っていました。普段の仕事と照らし合わせながら介護福祉士とケアマネージャーの勉強をし、資格を取得しました。その後、キャリアアップも考えて転職を検討していたところ、偶然自宅に届いた福生市社会福祉協議会の広報誌で求人情報を見つけました。実は、それまで社協のことをよく知らなかったので、ネットで調べたり、福生市の図書館へ行って事業報告書を読んだりして事業の内容を確認すると、福祉系の専門集団という感じがして、自分が今までやってきた仕事が活かせると強く感じたことがきっかけでした。
現在の仕事の中で、一番大切にしていること、力を入れていることは何ですか?

一番大切にしていることは人(団体)との信用、信頼です。社協の事業は地域に協力していただくことで成り立っています。時に無理を承知でお願いしなければならないこともあり、そんなお願いを快く受けていただけるようになるためには、常日頃のコミュニケーション、関わりが一番大切だと思っています。できる限り地域に足を運び、顔の見える関係を作っていくことで、自然と一体になれるように努めています。感謝の言葉や想いを忘れないことも大切です。
そして、地域の困りごとや課題を、「人と人」、「団体と団体」を繋げることで解決につなげられたり、人の役に立ちたい、自分の得意を地域で活かしたいという方の思いを叶えられた時には本当にやりがいを覚えます。
現在の仕事を日々行う中で、難しさを感じるのはどんなことですか?乗り越える方法も教えてください。
ボランティアセンターでは、やりたいこと、やらなければいけないことが沢山あり、頑張り次第で何とか取り組めても、業務で手一杯になってしまうことや、担当者が代わった時に継続できるような仕組み作りに時間がかかるのが難しい点です。以前、繁忙期が長くなり大変なことがありましたが、それを乗り越えられたのは、家族に現状をしっかりと伝え協力してもらえたこと、職場の仲間も同じように繁忙期が重なったため、仕事が終わった後に食事に行くなど共に発散できたことが大きかったと思います。社協の中には良い仲間が揃っていてありがたく感じました。
今後の目標や夢、キャリアプランを教えてください。

今後は地域との繋がりを継続しながら、災害対策、防災に力をいれていきたいと考えています。行政、社協、NPOなどの多様な団体と平時から災害を意識した取組みを進め、福生市の防災力を上げることが目標です。そのために、防災士などの資格を取得することでの知識の向上、被災地での活動や支援を継続し経験値を高め、多様な方々と繋がれる場に積極的に参加していきたいと考えています。
これから、この分野のお仕事を目指す人へメッセージを。
福祉という分野は自分が思っている以上に幅広いものでした。その仕事を行うことで、新たな自分に出会うことができました。
また、東京都全域、全国にも自分と同じような思いをもった社協職員がたくさんいて、多くの仲間ができました。
自分の可能性を見つけたい人、試したい人、仲間を増やしたい人、社会福祉協議会で働いてみませんか!

